メガネのこと

メガネが似合う顔の形は、正面と横顔で変わる

「丸顔だから四角いフレーム」「面長だから縦幅のあるもの」。顔型診断のページを読んで、そのとおりのフレームをかけてみたのに、どうもしっくりこない。逆に、セオリーから外れた一本のほうが妙に収まって見えた。そんな経験がある方は、たぶん少なくありません。

この記事では、顔の輪郭ではなく「正面・斜め45度・真横で印象が変わる」という点から、鏡の前で何をどの順番で見ればいいかを具体的にお伝えします。

顔型診断が当たるときと、外れるとき

顔型分類は、まったくの的外れというわけではありません。輪郭と似た形を重ねると形が溶けて見える、反対の形を重ねると輪郭が目立つ。この傾向自体は実際に起きます。

ただ、顔型診断が見ているのは「正面から見たときの外形」だけです。顔は平面ではないので、正面の輪郭が同じでも、次のようなところが人によってまったく違います。

  • 鼻の付け根(目と目の間あたり)の高さ
  • 頬骨の張り出し方
  • 目が顔の面からどれくらい奥にあるか
  • 耳の付け根の高さと、前後の位置

この「奥行き側」の条件は、正面の鏡にはほとんど写りません。ところが実際に人から見られているのは、正面だけではないわけです。すれ違いざま、話しているとき、横に並んで歩いているとき。むしろ斜めと横から見られている時間のほうが長い。顔型診断が外れた感じがするのは、たいていこの差です。

角度ごとに、見るべき項目が違う

同じフレームでも、角度を変えると判断材料が入れ替わります。先に整理しておきます。

正面で見るもの……左右のバランス、顔の幅に対するフレームの横幅、目がレンズの中でどのあたりに来ているか。ここは多くの人がすでに見ています。

斜め45度で見るもの……テンプル(つる)がこめかみからどう後ろへ伸びているか、フレームの端が顔の輪郭より外に出ているか内に入っているか、頬骨とレンズ下端の近さ。顔の立体感が出るのはこの角度です。

真横で見るもの……レンズ面の傾き(前傾角)、レンズと頬・まつ毛の距離、テンプルが耳に向かって上がっているか下がっているか、フレームの前枠が顔からどれだけ前に出ているか。

正面で整って見えても、横から見たらレンズ面が極端に寝ていた、前にせり出していた、ということがあります。これは顔型とは関係のない話で、鼻の付け根の高さやフレームの構造で決まります。

鏡の前での手順。30秒ずつ、3つの角度

難しいことはしません。順番だけ決めておきます。

1. 正面(30秒) 顎を引かず、腕は下ろす。鏡に近づきすぎないこと。近いと見上げる角度になり、フレームが実際より下がって見えます。一歩〜二歩下がって、全身が入るくらいの距離が目安です。

2. 斜め45度(30秒) 顔だけ横に向けるのではなく、体ごと45度回します。顔だけ回すと首の角度でフレームが傾き、判定になりません。この角度で、テンプルが顔のラインに沿っているか、こめかみの手前で張り出していないかを見ます。

3. 真横(30秒) 手鏡があれば合わせ鏡で。なければスマートフォンのセルフタイマーで真横から撮ってもらうほうが確実です。見るのは前傾角とレンズ〜頬の距離。この二つだけで十分です。

店頭で試着するときも、この順でやると早い。正面で3本に絞り、45度と横で1本に決める。逆の順番だと、正面での印象に引っ張られて横の問題を見落とします。

顔型のセオリーが外れる、よくある3パターン

具体例を挙げます。

パターン1:鼻の付け根が低い 面長だから縦幅のある大きめを、と選ぶとフレーム全体が下がり、正面では眉とレンズ上端が離れすぎ、横から見ると前枠が前に倒れます。顔型のセオリーどおりなのに重たく見えるのは、たいていこれです。鼻パッドの調整である程度は上げられますが、動かせる幅には限りがあります。

パターン2:頬骨がしっかり出ている 丸顔に四角いフレームを合わせたら、45度から見たときにレンズの下角が頬にぶつかって、笑うたびに押し上げられる。正面の鏡では気づけません。

パターン3:耳の付け根が目より低い 真横から見るとテンプルが後ろ下がりになり、前枠が前に出て、全体が傾いて見えます。これは左右差があることも普通で、顔型とはまったく別の軸の話です。

逆に、「丸顔に丸いフレーム」のようなセオリー外の組み合わせが収まることもあります。顔の奥行きがしっかりある方だと、45度から見たときにフレームの丸みが立体に沿って、正面だけで想像するより自然に見える。だから、分類で切り捨てる前に一度かけてみたほうがいい、というのが現場での実感です。

調整で動く範囲と、選び直すしかない範囲

横から見て気になった点のうち、かけ具合の調整で動かせるのはおおよそこのあたりです。

  • 前傾角(レンズ面の傾き)
  • テンプルの曲がり始めの位置と、耳までの高さ
  • 鼻パッドの角度と幅。上下方向は、現実的には数ミリ程度

一方で、動かせないものもあります。レンズの縦幅・横幅、フレームの形そのもの、テンプルの太さと、テンプルが前枠に付いている高さ。この「付いている高さ」が顔に合っていないと、調整で追いかけても限界があります。そこは我慢せず、別の形を見たほうが早い。

なお、かけてみて「見えにくい」「ぼやける」と感じた場合は、フレームの形とは別の話です。目の症状や病気については眼科医の領域になりますので、痛み・かすみ・見え方の急な変化があるときは、まず眼科を受診してください。メガネ店でできるのは、見え方についてのご相談と、メガネそのものの調整までです。この線引きははっきりさせておきます。

決める順番のまとめ

  1. 顔型分類は、最初に3本くらいに絞るための目安として使う。決定には使わない
  2. 正面で、幅と目の位置を見る
  3. 体ごと45度回して、テンプルの張り出しと頬骨との距離を見る
  4. 真横から、前傾角とレンズ〜頬の距離を見る
  5. 気になった点が調整で動く範囲か、形の問題かを確かめる

この手順は、どうしても実物が要ります。画像の試着では奥行きの情報が落ちますし、斜めと横の見え方は再現できません。実際にかけて、体ごと回して、横からも見てもらう。それだけで、顔型診断では決まらなかった部分がかなりはっきりします。

メガネ・サングラスの売場では、かけた状態を正面だけでなく横からも見ながら、調整で動く範囲かどうかも含めてご相談いただけます。気になるフレームがいくつかあって決めきれない、という段階でもかまいません。

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