メガネのこと

ワンデーとメガネの併用は「外す時間帯」で決める

平日はワンデーのコンタクト、家に帰ったら外してメガネ。そういう生活をしていると、メガネのほうはどうしても後回しになります。何年も前に作った一本をなんとなく使い続けていて、「度数はコンタクトと同じでいいのかな」「でも家でしか使わないし」と迷ったまま、買い替えどきを逃している。そんな相談をよくいただきます。この記事では、度数の数字を先に決めようとするのをいったんやめて、コンタクトを外す時間帯から、レンズの強さとフレームの選び方を決める手順をお伝えします。

「度数は同じでいい?」が、ひと言で答えられない理由

まず素朴な疑問から。コンタクトの度数と、メガネの度数は同じ数字でいいのか。

結論から言うと、同じ数字をそのまま写すものではありません。コンタクトは黒目の上に直接のっていますが、メガネのレンズは目から十数ミリ離れた位置にあります。同じ強さで作ったつもりでも、距離が違えば見え方の感じ方は変わります。だからコンタクトの処方箋とメガネの処方箋は、もともと別々に出るのが普通です。

そして、もうひとつ大事なこと。度数そのものは、眼科での検査やお店での視力測定をもとに決めるものです。手元にあるコンタクトの箱の数字を見て「これで作ってください」と言われても、お店としてはそのまま作ることをおすすめしにくい。ここは面倒でも、測るところから始めたほうが結局は早道です。

そのうえで、測って出てきた度数を「どのくらいの強さで組むか」には、実は幅があります。その幅を決める材料が、次の話です。

先に決めるのは数字ではなく、「外す時間帯」

コンタクトを使っている人のメガネは、一日中かけるメガネとは役割が違います。コンタクトを外したあとの時間だけを担当する道具です。だったら、その時間に何をしているかを先に知っておいたほうがいい。

三日間だけ、こんなメモを取ってみてください。項目は三つです。

  1. 何時にコンタクトを外したか
  2. 外したあと、何をしていたか(テレビ、スマホ、料理、入浴、本、仕事の続き)
  3. そのとき、いちばん長く見ていたものまでの距離(だいたいで構いません。手元なら40cm、テレビなら2〜3m、という程度)

三日分そろうと、自分がどのタイプかが見えてきます。おおまかに三つに分かれます。夜だけの人、休日は一日メガネの人、日中に途中で交代する人。以下、それぞれ見ていきます。

タイプ1:夜だけ。帰宅後から寝るまでの数時間

いちばん多いのがこれです。メモを見ると、距離はだいたい40cm〜3mの範囲に収まっているはずです。遠くの看板も、車の運転も、この時間帯には出てきません。

このタイプで起きがちなのが、外用の強さで作った一本を、夜の室内でも使い続けている状態です。室内の距離しか見ない時間に、遠くまでくっきり見える設計をかけていると、手元に目を合わせ続ける負担がかかります。ここは「室内寄りに振る」という選択肢を、検査のときに相談してみてください。室内と手元に配分を寄せた中近レンズという組み方もあります。ただし、これにすると遠くは見えにくくなるので、夜に車を出す機会がある人には向きません。何を捨てるかもセットで決める話です。

フレームのほうは、気楽さを優先していい時間帯です。見るべきは三点。軽さ、鼻と耳に当たる感じ、そして外しやすさ。夜は外したりかけたりの回数が多くなります。片手でつかんでも歪みにくい、しっかりした作りのものだと扱いが雑でも持ちこたえます。

もうひとつ、置き場所。入浴前に外すなら洗面所に置きがちですが、湿気がこもる場所に毎晩置くと鼻パッドや金属部分に影響が出ます。寝室や居間に定位置を作っておくと長持ちします。

タイプ2:休日は朝から晩までメガネ

目を休ませる日としてコンタクトを使わない、という人。この場合、メガネは完全に「外用」です。運転も買い物も人と会うのもメガネなので、夜だけの一本とは条件が変わります。

遠くの見え方を削れないので、室内寄りに振る話はここでは当てはまりません。むしろ普段のコンタクトの見え方に近い感覚で使えるほうが、休日の行動が減らずに済みます。

そして、かけている時間が長いぶん、かけ心地の粗が出ます。夜の二時間なら気にならなかったずり落ちや耳の痛みが、八時間だとはっきり不快になる。休日だけのメガネこそ、買ったあとに一度、かけ具合を見てもらう価値があります。

見た目を気にするのもこのタイプです。コンタクトのときの顔を見慣れていると、メガネの日だけ妙に落ち着かない。これは慣れの問題もありますが、フレームが顔に対して大きすぎる・色が強すぎるといった理由のこともあります。鏡で正面だけでなく、少し離れて斜めからも見てみてください。

タイプ3:疲れた日だけ、日中にメガネへ交代する

三つめは、朝はコンタクトだけれど、夕方にしんどくなって外す日がある人。ここで気をつけたいのが、切り替えたあとの違和感です。コンタクトからメガネに替えると、ものの見える大きさや距離感がわずかに変わります。替えた直後の数分、足元が頼りなく感じることがあるので、階段や段差のある場所でいきなり替えるのは避けたほうが無難です。

このタイプは持ち歩きが前提になるので、ケースと鞄の中の位置も一緒に決めておきます。鞄の底ではなく、他の荷物に押されない場所へ。畳んで薄くなるフレームだと持ち出しが楽になります。

そして線引きの話を正直に書いておきます。夕方に外したくなる理由が、乾く、しみる、充血する、まぶたが重いといった目そのものの症状である場合、それはメガネ店の範囲ではありません。コンタクトの種類や装用時間の見直しも含めて、眼科で診てもらう話です。お店でできるのは、見え方の相談と、メガネのレンズ・かけ具合の調整まで。ここは混ぜないほうが、結果的に早く解決します。

つまずきやすい点と、決める順番

併用している人がはまりやすい落とし穴を、先に挙げておきます。

  • コンタクトの箱の数字でメガネを作ろうとする。前述のとおり、別物として測り直すのが基本です。
  • 古い一本を夜用に下ろして使い続ける。使用頻度が低いぶん不具合に気づきにくく、「夜だけだから」で何年も経っていることがあります。
  • 一本で全部やろうとする。夜の室内用と休日の外出用は、求められるものが違います。無理に一本にまとめると、どちらも少しずつ不便になります。

決める順番はこうです。

  1. 三日間メモで、外す時間帯と見ている距離をつかむ
  2. その時間に遠くを見る用事があるかどうかで、室内寄りに振れるかを判断する
  3. 度数は測ってから決める(自己判断で数字を写さない)
  4. フレームは、外す回数の多さと持ち歩きの有無から選ぶ
  5. 買ったあと、一度かけ具合を見てもらう

最後に。室内寄りに振るかどうか、どのくらい寄せるかは、文章だけでは決めきれないところです。実際にレンズをあてて、ソファに座った姿勢や、手元を見る角度で確かめてみるのがいちばん早い。メガネ売場では一級眼鏡作製技能士が視力測定(無料)から相談までお受けしていて、中近レンズの中間域をどのあたりに置くかといった詰め方も、使い方を聞きながら一緒に決めています。コンタクトとの併用で迷っていることがあれば、そのまま話していただければと思います。

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