メガネのこと

メガネをかけたまま寝るなら、外す定位置を3か所に

テレビを見ているうちにソファでうとうとして、はっと起きたらメガネが顔の横にずれている。こたつで寝落ちして、起き上がった拍子に何かを踏んだ音がした。そういう経験がある方は、たぶん一度や二度ではないと思います。この記事では、寝落ちしやすい場所ごとに「外す定位置」を作る考え方と、歪んでいないかを自分で確かめる手順を、続けて読めるようにまとめます。

かけたまま寝て歪むのは、寝ている間より「起きたあと」

メガネをかけたまま寝ると、たしかに寝ている間も片側のテンプル(つる)が枕やクッションに押し付けられます。ただ、売場でお預かりするものを見ていると、はっきり変形しているのは、寝ている最中よりも「起きたあとの数秒」でできたものが多い印象です。

寝ぼけた手で顔から外して、そのまま座面に置く。立ち上がるときに座り直して踏む。布団の上に落ちたのに気づかず、膝をついた。こたつ布団の中で行方不明になって、あとから足が当たる。どれも一瞬です。

そして厄介なのは、こうした力は必ず片側にかかるということ。左右のどちらか一方だけが開いたり下がったりするので、かけたときには「なんとなく傾いている」「片方だけこめかみが当たる」という、原因の分かりにくい違和感として出てきます。

つまり対策は、寝ないようにすることではなく(それができたら苦労しません)、寝落ちしそうな場所に、手探りでも置ける定位置を先に作っておくことです。

机に置いて真横から見る。歪みの自己チェック3ステップ

まず今のメガネを確かめましょう。かけた状態で鏡を見るだけでは分かりません。平らな机の上でやります。

ステップ1:伏せて置き、4点が着いているか見る

テンプルを開いて、レンズ側を下にして机に伏せます。レンズに傷が付かないよう、クロスや紙を一枚敷いてください。このとき接地するのは、左右のテンプルの先端と、左右のレンズ(リム)の下側、合わせて4点です。指で軽く片側を押して、シーソーのようにカタカタ動くなら、どこかがねじれています。

ステップ2:正面から、左右のレンズの高さをそろえて見る

伏せたまま、机に顎を近づけて真正面から見ます。左右のレンズの上辺が同じ高さに並んでいるか。片方だけ持ち上がっていれば、そちら側のテンプルが上に曲がっている可能性があります。

ステップ3:真横から、テンプルの角度を見る

横から見たとき、テンプルは耳の後ろで少し下がっているのが普通です。左右を重ねるように見て、下がり方の角度が明らかに違えば、片側に力がかかった跡だと考えられます。

最後にもう一度かけて、鏡で眉とフレーム上辺の距離を左右で見比べてください。机の上で見つけた傾きと、顔の上での傾きが同じ向きなら、まず間違いなく歪んでいます。ただ、耳の高さはもともと左右で違う人が多いので、「顔の上では傾くけれど、机の上では水平」という場合もあります。これは歪みではなく、元からそう調整してある状態のこともあります。

ソファ:座ったまま手が届く高さに、受け皿を置く

ソファで寝落ちする人の最大の問題は、外す場所がないことです。だから胸の上に置いたり、座面の隙間に差したり、肘掛けにのせたりする。全部、立ち上がるときに踏むか落ちるかします。

定位置にするなら条件は二つ。座った姿勢のまま、体をひねらずに手が届くこと。そして立ち上がる動線の上にないことです。サイドテーブルがあればその上、なければ低いスツールや小さな箱をソファの脇に置いて、そこに浅いトレーか小皿を一枚。受け皿があるだけで、置き場所が数センチ単位で固定されます。

置き方は、テンプルを開いたまま伏せるか、畳んでレンズを上に向けるか。どちらでもいいので、レンズ面を下にしないことだけ守れば十分です。

こたつ:天板の上ではなく、床から一段上げる

こたつは、天板の上が一見安全に見えて実は危ない場所です。人の腕が行き交い、湯のみやリモコンが動き、少し押されただけでこたつ布団の上へ落ちます。布団に落ちたメガネは音がしないので、気づかれないまま膝や足が当たります。

おすすめは、こたつの外に置くこと。すぐ脇の棚や、カラーボックスの上など、床から一段上がっていて、人が通らない面を選びます。こたつに入ったまま手を伸ばして届く高さなら、寝落ちしかけたときでも置けます。

もう一つ、こたつ特有の事情として、天板の上は温かい飲み物の湯気や鍋の蒸気が上がります。曇ったまま放置するより、外して脇に置いたほうが結果的にレンズも汚れません。

ベッド:枕元は落ちる。頭の向きの先に固定する

ベッドでは、枕元にそのまま置くのがいちばん落ちます。寝返りで押し出され、床に落ち、朝いちばんの足が当たる。床に落ちたメガネの踏み潰しは、テンプルだけでなくフレーム全体が変形するので、直る範囲を超えやすいパターンです。

ヘッドボードやサイドテーブルがあれば、そこにケースを開けたまま置いておくのがおすすめです。閉じたケースは寝ぼけた手では開けられませんが、開いていれば片手で放り込めます。家具がない場合は、ベッドの壁側に小さな箱を置いて、そこを定位置にしてしまう。暗くても迷わないよう、置き場所は毎日同じにするのが大事です。

なお、「寝起きに見えづらい」「目が乾く、痛い」といった体の側の変化は、メガネの歪みとは別の話です。眼の症状や病気は眼科医の領域なので、気になるときは眼科を受診してください。メガネ店でできるのは、見え方についてのご相談と、フレームの調整までです。

自分で曲げ戻す前に、知っておきたいこと

歪みに気づくと、つい手で戻したくなります。軽い開き具合の左右差なら、そっと戻るものもあります。ただ、うまくいかないことのほうが多いのも事実です。

  • プラスチック系のフレームは、温めずに曲げると白く筋が入ったり、折れたりすることがある
  • 金属フレームは、同じ場所を何度も曲げ戻すと金属疲労が進み、あるとき突然折れる
  • 丁番やネジ穴に負荷がかかると、フレーム自体は戻っても、開閉がガタつくようになる
  • レンズを固定している縁を広げてしまい、レンズが外れやすくなる

そして、踏んで大きく変形したものや、ネジ穴まわりが伸びてしまったものは、調整では戻りきらないことがあります。正直に申し上げると、直せるか直せないかは、実物を見てからでないと判断できません。

定位置を作っても、疲れた日はそこまで手が伸びないこともあります。それでも、三か所のうち一か所でも受け皿ができると、踏む回数は確実に減ります。歪みが気になったら、メガネ・サングラス売場でかけた状態を見ながら調整のご相談ができます。一級眼鏡作製技能士が常駐しているので、直せる範囲と難しい範囲も含めて、その場でお話しします。

まとめると、順番はこうです。まず机に置いて歪みを確かめる。次に、自分がいちばん寝落ちする場所を一つ決めて、そこに受け皿を置く。残りの二か所は、うまくいってから足せば十分です。

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